~はじめに~
今回の話しでは、「信用取引をリスクヘッジとしての使い方」を簡単に説明するために、「貸株料」などなど細かい点は省略しています。
今回のブログを読んで、もし「リスクヘッジとしての信用取引の使い方」に興味を持った人がいましたら、一度詳しく調べてみてください。
信用取引についてのまとめ
・信用取引の特徴にレバレッジをかけた取引ができるため、少ない資金でもハイリスク・ハイリターンの取引をすることできる。
・信用取引は「買い」→「売り」だけでなく、「売り」→「買い」ができるため、高く売ってから安く買戻すことができ、相場の下落局面でも収益機会がある。
前週の「ダブスコ・ショック」では、高いレバレッジをかけて信用会をした人が、連続ストップ安となり、大きな損失が出た人が大きいたため、「信用取引は怖い」というイメージがついてしまいました。
「ダブスコ・ショック」と信用取引については、こちらをご覧ください↓
『信用取引について ~「信用取引」とダブスコショック~』
先週は、「ダブスコ・ショック」「日銀の為替介入」があり、目まぐるしい一週間でした。 日銀の金融緩和については、前回書きましたので、こちらをご覧ください↓『日本…
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今回は、前回書いたように「ハイリスク・ハイリターンではない信用取引の方法〜①リスクヘッジとしての使い方」について書きたいと思います。
まず、「レバレッジ」というのは、自分が持っている自己資金(現金・有価証券)を証券会社に預けることで、保証金の約3.3倍までの金額の取引をすることができます。
例えば、50万円の自己資金(保証金)の場合、最大で約3.3倍の約166万円までの取引が可能です。
この場合のレバレッジは3.3倍です(いわゆる「フルレバ」と言われる状態です)。
あくまでこの3.3倍というのは、最大という意味で、そこまでレバレッジをかける必要はありません。
保証金、50万円に対して、100万円の取引であれば、レバレッジは2倍です。
つまり、50万円の自己資金(保証金)を持っていて、信用取引で50万円しか使わないと『レバレッジ=1倍』です。
つまり、レバレッジをかけていません。
「信用取引=レバレッジをかける=リスク高い」ではないというこです。
→リスクは自分で選べるということです。
※もちろん、レバレッジをかけるほど、リスクも高くなります。いわゆる、「ハイリスク・ハイリターン」になります。
「リスク」は、信用取引に限らず、どの資産にも存在します。
もちろん、現物取引にもあります。下落による損失(含み損)です。
現金であれば、物価上昇(インフレ)による価値の低下などです。
「レバレッジかけないのに信用取引する意味あるの?」
はい、あります。
まずは、今回書いている<下落に対する(リスク)ヘッジ>として使用する方法」です。
※(リスク)ヘッジとは、「起こりうるリスクの程度を予想して、リスクに対応できる体制をとって備えること」です。
「ダブスコ・ショック」では、高レバレッジでの信用買いで多くの損失を出した人がいました。
リスクヘッジでは、「ダブスコ・ショック」で行われていたことと全く逆のことを行います。
つまり、「低レバレッジ」というか、レバレッジはかけない「信用売り(空売り)」を行う方法です。
自己資本以上の信用取引を行わなければ、レバレッジはかけていていないことになります。
『信用取引』とは、「信用買い」と「信用売り(空売り)」があります。
「信用買い」とは、安いときに買って高く売ることで、利益が出ます。利益を出す方法は、現物と同じです。
「信用売り(空売り)」は、先に高いときに売って、安くで買い戻すことで利益が出ます。
※「先に売る」というのは、証券会社から借りて売るので、手元に現物がなくてもできます。
※売り禁になっている銘柄などは、信用売り(空売り)できないこともあります。
(「売り禁」は、信用売り(空売り)が殺到して、信用買いよりも多くなり、今後の貸株用の株の調達が困難になるため起きる。)
つまり、現物とは逆で、「信用売り(空売り)をすると、下がったとき利益が出る」ということです。
この「下がったときに利益がでる」特徴を活かして、現物のヘッジをすることができます。
例えば、A社(1000円)の株を300株もっていたとします。
「業績もいいし、配当ももらえるから、長期的に持っていたい」と思っていますが、「最近は、どうも相場全体の雰囲気がよくないので、この株も一時的に下げそうだな」と思っているとします。
そのとき、A社(1000円)の株を持ったままだと、株価が下がれば、含み益が減る(含み損がふえます)。
しかし、300株(現物)をもったまま、300株信用売りを行うと、株価が下がっても含み益が減る(含み損が増える)ことはありません。
(※この時、300000円(1000円×300株)×0.8=240000円が保証金になりますで、300000円(1000円×300株)の信用売りのため、1.25倍の低レバレッジがかかっています。
A社の株だけでなく、現金600000円あれば、レバレッジは1倍となりかかっていないことになります。)
※有価証券は変動するため、有価証券総額×0.8が保証金となります。
※同じレバレッジであれば、「信用買い」よりも「信用売り」の方が追証が発生しにくいです。
※信用売りで損失が出るということは、保証金として入れてる有価証券は利益になっている可能性が高いため、(必ずしも同じに銘柄をもっていなくても)相殺の動きが働きます。(あくまでもそういう傾向にあるというだけで、必ずしもではありません)
株価の下落⇒現物の含み益の減少(含み損の増加)
株価の下落⇒信用売り(空売り)の含み益の増加
同じ300枚ずつ持っているため、相殺しあって、株価が下がっても、含み益(損)に増減はありません。
(逆に、これだと株価が下がらず上がっても、含み益(損)の増減はありません)。
次に、下がった株価が「また戻ってくるかな」と思ったタイミングで、現物はそのままで、信用売り(空売り)を買い戻し(反対売買)すると、株価下落による信用売りの利益をもらって、株価上昇に備えることができます。
これは、必ずしも、現物と同じ枚数の信用取引(空売り)する必要はありません。
同じ枚数だと、株価が上がっても、下がっても含み益(損)の増減はありません。
このため、上がったときも含み益が増えません。
これが、1500円の株を300株現物を持っていて「下げるのでは?]と思った時、100株だけ信用売り(空売り)をしたとします。
もし予想通り下落し、1000円に下がった場合
現物300株だけを持っていると、(-500円×300株)=-150000円になります。
現物300株に、信用売り100株もっていると、
(-500円×300株)=-150000円(現物分)
(500円×100株)=50000円(信用分)
合算すると、-150000円+50000円=-100000円になります。
現物だけをもっていた時よりも、50000円含み損が抑えられたことになります。
そろそろ株価が上がりそうだなと思った時、信用売り(空売り)だけ買い戻しておきます。
すると、現物しか持っていないので、株価上昇分×300株の利益を得ることができます。
もし、下落せずに1900円に上昇した場合
現物300株だけを持っていると、(400円×300株)=120000円の含み益になります。
現物300株に信用売り100株もっていると、
(400円×300株)=120000円(現物分)
(-400円×100株)=-40000円(信用分)
合算すると、120000円-40000円=80000円の含み益になります。
現物だけを持っていたほうが、40000円利益が多くなります。
相場が落ち着いて、株価が下がりそうにないなと思った時、信用売り(空売り)だけ買い戻します。
「なんだ、利益減ってるじゃん!」と思いますが、
今回の信用取引は、「現物の株価下落に対するリスクヘッジ(回避)」として使っているため、利益を増やすというのではなく
自分の考えと逆に株価が推移したときに損失を抑える目的で利用しています。
保証金(現物×0.8)>信用売り(空売り)であれば、レバレッジもかけていないので、リスクはほとんどありません。
考え方としては、信用売り(空売り)で株価下落に対する保険をかけるという感覚です。
上昇した場合は保険代だけを払うことになりますが、もし下落した場合、『損失を抑える役割』をしてくれます。
この保険をかけるという行為は、なにも特別なことではありません。
生命保険であったり、自動車保険など普段の生活では当たり前におこなっていることです。
「保険」とは、もしものときに備えるためです。
このため、何もないと保険代を払った分だけ損したと思うかもしれませんが、『もしも』があったときはきっとかけていてよかった!と思うはずです。
投資の世界では、普段の生活よりも、リスクがあると思います。
それなのに、日常生活での保険はかけている方が多いのに、投資では、保険をかけている人が圧倒的に少ないと思います。
「信用取引は、リスクが高い」というイメージで、触られなかった人がいたら、むしろ逆だと思います。
正しく「信用取引」を理解して、使いこなすことで、「信用取引=リクスを減らすことができる」ツールとして利用してもらえると思っています。
現物しか持っていないと、持っている株の悪いニュースがでたときや、相場全体が悪いとき含み損が出てしまいます。
2022年に入っての日経・米国3指数ともに右肩下がりの相場が続いています。
現物しかないというのは、剣しかもたずに戦っているようなものです。
攻める(株価が上がっている)ときはそれでかまわないのですが、守り(株価が下がるとき)にはむきません。
信用売り(空売り)は、盾の役割をしてくるもので、守る(今みたいな株価下落)のときにこそ力を発揮してくれます。
最近の大幅な下落(特に米国)を受けて、ツイッターでは「これから先が不安だ」「持っていたほうがいいのかな・・・」と不安なつぶやきが
この3連休(9/23.24.25)で一気に増えてきました。
その理由として、23日のダウの終値が年初来を更新し、この値は2021年1月と同水準になりました。
ここ最近の下落で、2021年の上昇をすべて打ち消したことになります。
ダウだけで見ると、このあたりが損益の分岐点という人も多くいます。
ツイッターでは、2021年1月以降に開設したアカウントがかなり多くいます。
つまり、昨今の投資ブームで2021年頃(以降)に始めた人だと、損失を出している人が多くいる状態です。
※もちろん、全員ではありません。儲けてけている人もいます。
しかし、ヘッジなどをかけずに2021年以降NISA、積み立てNISAしかしていない人は含み損を抱えた状態です。
(細かく言うと、インバース系の投資信託などがあるため必ずしもそうではありません。あくまで統計的な話しとしてです。)
このとき、下落局面で利益が出せる「信用売り(空売り)」を少しでもしていたら、損失を抑えられ、メンタル的にもそこまできつくならずにすんでいたのではないでしょうか?
23日のダウ大幅下落による年初来安値更新を受けて、26日の日経も700円以上の下落となりました。
26日の「S&P500」も年初来安値を更新しました。
これは、残念ですが、『今年から「S&P500」系の投資信託に投資したひとの全て損をしている』ということを意味します。
今後も、不安定な相場は続くと思います。その時に、ただ買い向かうのでなく、しっかりヘッジをかけて資産を守るということが大事になってくると思います。
信用売り(空売り)によるリスクヘッジは、リスクヘッジの一つの方法でしかありません
このため、信用取引によるヘッジをした方がいいですよと勧めるつもりもありません。
「使う」「使わないは」は、その人次第だと思っています。
ただ、私が前から言っているように、「信用売り(空売り)によるヘッジをしていない」という同じ結論であっても、信用売り(空売り)の知識がないからしない(できない)のか?知っているけどしないのか?は大きく違うと思っています。
最後に言いたいのは、自分の資産を投じて「投資」を行っているので、後悔のない投資を行ってほしいということだけです。
次回は、株価が下がってもどうしても損切りできずに塩づけしてしまう人に対しての信用取引の利用方法について書けたらなと思います。
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世界一やさしい株の信用取引の教科書1年生 再入門にも最適! [ ジョンシュウギョウ ]
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リスクヘッジとしての信用取引

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